ホームページ・ブログへの規制が始まる?

2007年6月27日 (水)

一週間ほど前にアットマーク・アイティの記事ブログ、2chも対象にする「情報通信法」(仮)とはを読んだ。

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」は6月19日、通信、放送に関する規制を見直して競争を促進することを主旨とする中間報告(PDF)を発表した。ネットへの対応に遅れが目立つ現行の放送法、電気通信事業法などの規制を転換し、新たに策定する「情報通信法」(仮称)に一本化することを提言。テレビ局などの放送コンテンツだけでなく、ネットの掲示板やブログも対象にすることを盛り込んでいる。

 情報通信法は現在9つある通信と放送関連の法律を一本化し、通信、放送業界の垣根を低くすることを目指す。通信、放送事業者はこれまで進出できなかった分野にも進出可能になり、競争が促進されるとしている。放送、通信のコンテンツに対する規制も刷新し、ネットのコンテンツも同じように規制をかける。

この最後の部分が重要である。いままでは著作権やプライバシに抵触しなければ自由に流通・公開できたネットのコンテンツに規制がかけられる、ということだ。

同研究会の資料別紙1によれば、ネットワークを流通するコンテンツを次の3つに分類する。

  1. 特別メディアサービス
  2. 一般メディアサービス
  3. 公然通信

最初の2つは「メディアサービス」という分類であり、それ以外が「公然通信」となる。
ホームページ、ブログ、掲示板などが「公然通信」である。その「公然通信」に対し、上記資料によれば

■関係者全員が遵守すべき「共通ルール」を策定
■有害コンテンツについて「ゾーニング規制」の導入の適否を検討

とのこと。

この部分は重要なので、少し長いがもうひとつの研究会資料別紙2の記述を引用する。

「公然通信」に係るコンテンツに関しては、現在は「通信の秘密保護」を踏まえ、コンテンツ規律について「プロバイダ責任制限法」などを除き制度化していない。しかし、インターネットのメディア化の急速な進展や、有害コンテンツが社会問題化している現状を踏まえ、「通信の秘密保護」の根拠は匿名による表現の自由の確保とプライバシーの保護(狭義の通信の秘密)にあるとの視点から、保護の範囲と程度を捉え直すべきである。その上で、有害コンテンツを含め、表現の自由と公共の福祉の両立を確保する観点から、必要最小限の規律を制度化することが適当である。

具体的には、「公然通信」に係るコンテンツ流通に関して、各種ガイドラインやモデル約款等が策定・運用されていることを踏まえ、違法・有害コンテンツ流通に係る最低限の配慮事項として、関係者全般が遵守すべき「共通ルール」の基本部分を規定し、ISPや業界団体による削除やレイティング設定等の対応指針を作成する際の法的根拠とすべきである。「プロバイダ責任制限法」などICT利用環境整備関係法制度についても、可能な限り一元化すべきである。

その際、特に有害コンテンツ流通について、「自殺の方法」や「爆弾の作り方」、「ポルノ」など、違法とは必ずしも分類し難い情報ではあるが、青少年など特定利用者層に対する関係では一定の規制の必要性があるものに関しては、有害図書防止条例などの手法を参考にしつつ、いわゆる「ゾーニング」規制(特定の行為等に対して一定のゾーン(範囲や利用方法)に限り規制することを許容する規律手法)を導入することにより、広汎な内容規制の適用を回避しつつコンテンツ流通の健全性を確保することが可能となるため、その導入の適否を検討する必要がある。

ホームページ、ブログ、掲示板に対する規制はいままで基本的に存在していないとされている。しかし本当は存在している。それは「自主規制」という規制だ。いままで、日本の大手検索エンジンのYで某反政府的なサイト名(イニシャルはA)を検索しても検索できなかった。(現在は検索されるが。)これは検索エンジンYが政権側の意を受けて(または意を汲んで)自主規制していた、というべきだろう。かなり前から「自主規制」という規制は始まっているのだ。

そして上記の新法。この自主規制から類推すると、この新法の本当の狙いはポルノなどの有害サイトではなく、「政権に批判的なサイト」である。

この案、”必要最小限の規律”や”関係者全般が遵守すべき「共通ルール」”とか、表現は一見ソフトである。しかしこの規律やルールを決めるのは市民ではなく政権側だ。最初はソフトな規律だが、だんだんに牙や角が見えてくるはずだ。反政府的サイトを政権側が黒といえばそれは黒になってしまい、検索しても検索できなくなってしまうのだ。

これは総務省の研究会の報告なのでこのような法律が制定されると決まったわけではないが、昨今の規制強化の流れがあるのでこの方向に進むことは間違いないだろう。我々市民は、この新法とその運用の変化に充分な注意を払ってゆく必要がある。

そしてもうひとつ。上記中間報告書では「レイティング」という具体的な策に論が及んでいた。これは臭い。現在すでにグーグルとマイクロソフトはすべてのサイトに詳細なレイティングを行っているはずだ。ということは、上記法律が施行されると、それら米国資本の2大巨人が大儲けをする可能性がある。この2社以外に能力のある会社が無いからだ。ならば、このレイティングを実施するように米国から圧力があったのかもしれない。考え過ぎかもしれないが。

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