ロッシーニ/試金石

2009年2月2日 (月)

先日、CSチャンネルのクラシカ・ジャパンで見た、ロッシーニ20歳のオペラ「試金石」について。先ず冒頭に度肝を抜かれる。舞台に、顔を青いマスクで覆った人物が登場するのだが、舞台上に設置された横長のモニター画面には、首から上の無い人間として映っている。すぐに、これは画像処理の画面とわかった。背景としてミニチュアセットの映像がある。それと、実写を重ねる。青い色の部分は、すべて透過色として背景のミニチュアセットの映像となる。透過GIFファイルと同じ原理と思えば良い。たとえばミニチュアセットの中にテニスボールを置き、舞台に椅子を置いて青いカバーをかける。そこに座って歌う人は、上に設置されたモニターには、大きなテニスボールに座って歌う人になるのだ。この画像処理のおかげで、まったく飽きないオペラだった。

いや、画像処理が無くても良い演奏だった。秀逸だったのは、コントラルト(低音アルト)のソーニャ・プリーナ。古楽の歌い手らしい、すばらしいテクニックだった。

また指揮とオケが良い。指揮は、ジャン=クリストフ・スピノージ。クラシカ・ジャパンサイトには次の紹介記事があった。

ジャン=クリストフ・スピノージ
1964年コルシカ島生まれ。ヴィヴァルディの研究と演奏で評価され、ヴァイオリニスト&指揮者として活躍。91年創設のアンサンブル・マテウスは曲によって5人~35人のオリジナル楽器またはモダン楽器を使用する若い演奏家で構成。スピノージは『試金石』の成功を受けて2010年ミラノ・スカラ座『セビリアの理髪師』を指揮する予定。

古楽演奏家らしい、きびきびとしたテンポ設定と音楽運びだ。オケはアンサンブル・マテウス。初めて聞く名前だが、古楽器オケだ。ロッシーニを古楽器オケで聴くのは初めての経験だ。

ロッシーニを調べたところ、1792年生まれ。ほとんど最後ではあるが18世紀生まれなのだ。私はもっと後だと思っていた。このオペラは20歳のときの作品、ということは、1812年の作品だ。1812年は、ハイドンが死んでまだ3年しか経っていない頃。ベートーヴェンで言えば、交響曲第7番が作曲された頃だ。まだまだ古典の時代だ。ということは、楽器はクラシカル楽器で演奏できるはずだ。この演奏、クラリネットはいかにもクラシカル楽器風の音色だった。が、オーボエはあまりクラシカル的な響きではなかった。

ともかく、ロッシーニの若いときのオペラを若く有能な指揮者の演奏で、かつ画像処理付き画面で見る、という、大変面白い時間だった。

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