森永卓郎氏の毎日新聞コラム

2005年12月15日 (木)

12月12日の毎日新聞夕刊に掲載された何でも「改革」 言いたいは森永卓郎氏と色川大吉氏のコラムであった。そのうちの色川氏のコラムに対する私の感想は13日にこのブログの色川大吉氏のコラムで述べた。続いて、同記事の森永氏の論について感想を述べる。

森永氏は、日本の貧富の二極化、特に貧困層の増加について次のように例証している。

昨年、厚生労働省は「就業形態の多様化に関する総合実態調査」を発表した。非正社員の比率について、99年は27・5%だったが、03年には34・6%に増加している。その非正社員の税込みの月給といえば、全体の40・8%が10万~20万円未満で、37・2%は10万円未満である。彼らの平均年収は120万~130万円しかないのではなかろうか。

OECD(経済協力開発機構)は、所得が全家計平均の半分以下の家庭を貧困層と定義する。今年2月の報告書によると、日本の貧困率は加盟30カ国で5番目に高い15・3%になった。ワースト1はメキシコ(20・3%)、2番目は米国(17・1%)だった。ちなみに最も低いのはデンマークの4・3%である。

この事実から、日本の日本の貧富の二極化、特に貧困層の増加はかなり進んでいることが伺える。将来、といっても10年後くらいに、貧困率一位が米国、二位が日本などという事態は容易に想像しうる。貧困層をますます増加させる「小さな政府」を押し進めている小泉政権を支持しているのは貧困層の若者という皮肉。

次に森永氏は、富裕層について次のように述べている。

いわゆる「勝ち組」は金もうけと節税の話しかしない。社会貢献という概念がない。自分たちが豊かさをさらに実感するために「周りを貧乏にしてしまえ」ともくろんでいるに違いない。高所得者にきちんと負担を求める累進課税はなぜいけないのか。「税金が高いと有能な人材が国外に逃げる」との意見がある。結構ではないか。そのような人は日本から出ていってもらいたい。

富裕層に社会貢献の意識がないことはその通りだと思う。これに関しては米国のほうが意識が高いと思うが、それはキリスト教に起因しているのではないか。

この部分の後半の論は、少々感情的過ぎて論理的ではないので説得力はない。

累進課税は必要だが、税金が単純に高いか低いかの問題ではない。サービスの質と税金の使われ方が問題なのだ。支払っている税金に見合うだけのサービスが受けられれば、税金が少々高くても市民は受け入れる。しかし福祉・文化を始め国のサービスレベルは低い。また税金の無駄使いが目に余る。例えば、マイナスはあり得ない国防費、旧権力者という理由だけで働かない人を食べさせているだけの皇室費、不要に多い公務員の人件費等。国からはレベルの低いサービスしか受けられず、支払っている税金を無駄遣いされたのでは、それこそ日本から出ていきたくなるのだ。

 

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