モーツァルト・アカデミー・トウキョウ旗揚公演

2006年1月6日 (金)

モーツァルト・アカデミー・トウキョウ(MAT)演奏会を聴いた。

モーツァルト・アカデミー・トウキョウ 第一回演奏会
1月5日(木)19時開演 新大久保 日本福音ルーテル東京教会

W.A.モーツァルト
 「昇れ、天への道を」KV 34
 「神はわれらが避け所」KV 20
キリエ KV33
先ず神の国を求めよ KV86
ミサ・ブレヴィス KV49
  「雀ミサ」KV 220
テ・デウム KV141

モーツァルト・アカデミー・ヴォーカルアンサンブル
  ソプラノ:名倉亜矢子、星川美保子、本宮廉子
 アルト:穴澤ゆう子、田村由貴絵、北条加奈
 テノール:及川豊、野村和貴
  バス:大井哲也、小田川哲也、春日保人

モーツァルト・アカデミー・チェンバーオーケストラ
 ヴァイオリン:
 天野寿彦、石川和彦、大西律子(リーダー)、川久保洋子、廣海史帆、宮崎桃子
 チェロ:山本徹  コントラバス:西本俊介  オルガン:渡部聡
 トランペット:中村孝志、足立悠司
 ティンパニ:鈴木力

指揮:坂本 徹

この団体は、プログラムによれば「モーツァルトを始めとするヨーロッパ古典派音楽をレパートリーの中心とする」古楽団体である。オーケストラはクラシックまたはクラシカル楽器で、ピッチは430Hz、古典調律。メンバー表を見ると、ヴォーカルはバロックから古典の演奏では日本のAクラスのメンバー。オーケストラは若手が中心。

今年はモーツァルト生誕250年。そしてモーツァルトの誕生日が1月27日ということにちなみ、モーツァルトの若い(というより子供)の頃の作品を中心とするプログラムである。私にとっては「雀ミサ」以外は初めて聴く曲だった。

最初の「昇れ、天への道を」はトランペット・ティンパニの入ったにぎやかな曲なのだが、オケはあまり鳴らず、またヴォーカルもちょっとザラついていた。

演奏会を聴くと、どの演奏会でもたいてい最初の曲は良く聞こえない。一般的には演奏者の体が暖まっていないから、と言われている。しかしそればかりでなく、聴衆側の問題もあると思う。最初の音が鳴った瞬間、それはたいてい自分が予想した響きと異なるからだ。今回は旗揚げ公演なので、このMATなる団体の音は聴いたことがないので、ホールとメンバーを見て予想した音と実際の音は違うのが当然だ。なので最初の曲はあまり良く聞えないのでは、と私は思う。そして曲が進むにつれ、演奏者は当然熱くなり、聴衆も響きに慣れ、だんだん良く聞えてくる、と私は思っている。今回もそのパターンだった。

最初はそうだったが、「キリエ KV33」あたりから本領発揮。オーケストラの弦の音は透明で表現力がある。ヴォーカルも、全般にテナーとソプラノが良かった。テナーの及川氏がすばらしかったと思う。

メインの「雀ミサ」はなかなかの好演だった。途中には「書簡ソナタ」(いわゆる教会ソナタ)というオーケストラだけの曲が挿入されたが、それもすばらしかった。

この演奏会は、旗揚げ公演としては大成功だったと思う。ホールが少々小さいこともあり、補助席まで出した満員の聴衆だった。しかし次回からは、音楽の方向を揃えることが必要、と思った。具体的には、指揮の坂本氏の求める音楽と、ヴォーカルのバスパートの音楽は少々乖離しているように思った。しかし恐らくはあまり多くないリハ回数でこのレベルまで演奏できた坂本氏の手腕は大したものである。

なおトランペットはもちろんナチュラルトランペットである。ハイトーンをほとんどはずさずに見事に吹いていたが、なんとアマチュア奏者であることを付け加えておく。

次回以降の演奏会が楽しみな団体である。

 

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