月別:6月2007年

Pythonは空白がお嫌い

2007年6月29日 (金)

PythonによるWEBアプリケーションフレームワークのTurboGearsは先月のバージョン1.0.2.2からPython2.5対応になった。それより前のバージョンはPython2.4。待ち望んでいたPython2.5対応なので早速TurboGears1.0.2.2をWindows環境にインストールした。もちろんPythonはバージョン2.5である。

何の問題もなくインストールは終了し、早速TurboGearsのコマンド
> tg-admin quickstart
を実行したが

Cannot find Python executable C:\Program

のエラーメッセージが表示され実行できない。Python実行プログラムが見付からない、とのたまう。Windows環境にはPython2.4と2.5が両方入っていたので、念のため2.4を削除してPython2.5のみとして実行したが同じエラーメッセージが表示される。

いろいろ試行錯誤して気が付いた。問題は \Python25\Scripts\tg-admin-script.py の1行目だった。私のWindows環境ではPython2.5は
C:\Program Files\Python25\
ディレクトリ下に存在している。なので、インストールされた上記tg-admin-script.pyの1行目は
#!”C:\Program Files\Python25\python.exe”
となっている。これが問題だった。これを
#!”C:\progra~1\Python25\python.exe”
と、空白を含まないパスにしたところ、正常に動作した。

他のスクリプトも調べたところ、nosetests-script.pyも同じだったので空白を含まないPythonのパスを指定するよう修正した。

あるPython入門書には、「Pythonはデフォルトディレクトリ(C:\直下)にインストールしたほうが良いよ。」と書いてあったが、なるほど、C:\直下ではなく C:\Program Files\下にインストールするとこのようなことが起こるのだ。

しかしPythonをC:\ の直下にインストールしたとしてもうまく行かない類似の事例を発見した。

環境変数PYTHONPATHも空白を含んではいけないのだ。開発ツールKomodoを評価のためインストールし、デバッグの調査のためリモートデバッグを行おうとした。そのKomodoリモートデバッグ用モジュールパスを環境変数PYTHONPATHに設定しなければならない。設定したのだがどうにもリモートデバッグは動かなかった。原因は、Komodoをインストールしたディレクトリの下のほうに空白を含むディレクトリがあり、それが原因で動かなかったのだ。パスをダブルクオーテーションで囲ってもNG。パスは(DOS時代の)ショートパスで指定しなければならない。これはKomodoをC:\直下にインストールしたとしても起こる問題だ。

結局、Pythonは空白がお嫌い、ということがわかった一件だった。

ホームページ・ブログへの規制が始まる?

2007年6月27日 (水)

一週間ほど前にアットマーク・アイティの記事ブログ、2chも対象にする「情報通信法」(仮)とはを読んだ。

総務省の「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」は6月19日、通信、放送に関する規制を見直して競争を促進することを主旨とする中間報告(PDF)を発表した。ネットへの対応に遅れが目立つ現行の放送法、電気通信事業法などの規制を転換し、新たに策定する「情報通信法」(仮称)に一本化することを提言。テレビ局などの放送コンテンツだけでなく、ネットの掲示板やブログも対象にすることを盛り込んでいる。

 情報通信法は現在9つある通信と放送関連の法律を一本化し、通信、放送業界の垣根を低くすることを目指す。通信、放送事業者はこれまで進出できなかった分野にも進出可能になり、競争が促進されるとしている。放送、通信のコンテンツに対する規制も刷新し、ネットのコンテンツも同じように規制をかける。

この最後の部分が重要である。いままでは著作権やプライバシに抵触しなければ自由に流通・公開できたネットのコンテンツに規制がかけられる、ということだ。

同研究会の資料別紙1によれば、ネットワークを流通するコンテンツを次の3つに分類する。

  1. 特別メディアサービス
  2. 一般メディアサービス
  3. 公然通信

最初の2つは「メディアサービス」という分類であり、それ以外が「公然通信」となる。
ホームページ、ブログ、掲示板などが「公然通信」である。その「公然通信」に対し、上記資料によれば

■関係者全員が遵守すべき「共通ルール」を策定
■有害コンテンツについて「ゾーニング規制」の導入の適否を検討

とのこと。

この部分は重要なので、少し長いがもうひとつの研究会資料別紙2の記述を引用する。

「公然通信」に係るコンテンツに関しては、現在は「通信の秘密保護」を踏まえ、コンテンツ規律について「プロバイダ責任制限法」などを除き制度化していない。しかし、インターネットのメディア化の急速な進展や、有害コンテンツが社会問題化している現状を踏まえ、「通信の秘密保護」の根拠は匿名による表現の自由の確保とプライバシーの保護(狭義の通信の秘密)にあるとの視点から、保護の範囲と程度を捉え直すべきである。その上で、有害コンテンツを含め、表現の自由と公共の福祉の両立を確保する観点から、必要最小限の規律を制度化することが適当である。

具体的には、「公然通信」に係るコンテンツ流通に関して、各種ガイドラインやモデル約款等が策定・運用されていることを踏まえ、違法・有害コンテンツ流通に係る最低限の配慮事項として、関係者全般が遵守すべき「共通ルール」の基本部分を規定し、ISPや業界団体による削除やレイティング設定等の対応指針を作成する際の法的根拠とすべきである。「プロバイダ責任制限法」などICT利用環境整備関係法制度についても、可能な限り一元化すべきである。

その際、特に有害コンテンツ流通について、「自殺の方法」や「爆弾の作り方」、「ポルノ」など、違法とは必ずしも分類し難い情報ではあるが、青少年など特定利用者層に対する関係では一定の規制の必要性があるものに関しては、有害図書防止条例などの手法を参考にしつつ、いわゆる「ゾーニング」規制(特定の行為等に対して一定のゾーン(範囲や利用方法)に限り規制することを許容する規律手法)を導入することにより、広汎な内容規制の適用を回避しつつコンテンツ流通の健全性を確保することが可能となるため、その導入の適否を検討する必要がある。

ホームページ、ブログ、掲示板に対する規制はいままで基本的に存在していないとされている。しかし本当は存在している。それは「自主規制」という規制だ。いままで、日本の大手検索エンジンのYで某反政府的なサイト名(イニシャルはA)を検索しても検索できなかった。(現在は検索されるが。)これは検索エンジンYが政権側の意を受けて(または意を汲んで)自主規制していた、というべきだろう。かなり前から「自主規制」という規制は始まっているのだ。

そして上記の新法。この自主規制から類推すると、この新法の本当の狙いはポルノなどの有害サイトではなく、「政権に批判的なサイト」である。

この案、”必要最小限の規律”や”関係者全般が遵守すべき「共通ルール」”とか、表現は一見ソフトである。しかしこの規律やルールを決めるのは市民ではなく政権側だ。最初はソフトな規律だが、だんだんに牙や角が見えてくるはずだ。反政府的サイトを政権側が黒といえばそれは黒になってしまい、検索しても検索できなくなってしまうのだ。

これは総務省の研究会の報告なのでこのような法律が制定されると決まったわけではないが、昨今の規制強化の流れがあるのでこの方向に進むことは間違いないだろう。我々市民は、この新法とその運用の変化に充分な注意を払ってゆく必要がある。

そしてもうひとつ。上記中間報告書では「レイティング」という具体的な策に論が及んでいた。これは臭い。現在すでにグーグルとマイクロソフトはすべてのサイトに詳細なレイティングを行っているはずだ。ということは、上記法律が施行されると、それら米国資本の2大巨人が大儲けをする可能性がある。この2社以外に能力のある会社が無いからだ。ならば、このレイティングを実施するように米国から圧力があったのかもしれない。考え過ぎかもしれないが。

MUSIC BIRDとSPACE DiVA

2007年6月25日 (月)

私は2つの衛星ディジタル音楽放送に加入している。ひとつはMUSIC BIRD。もうひとつはSPACE DiVA。MUSIC BIRDはCDと同じ、またはそれ以上の音質であり、SPACE DiVAはMP2の音質である。どちらのチューナーも仕事場に設置し、小さな音量でBGMとして流している。

SPACE DiVAは「 219ch : バロック」チャンネルしか聞かない。ホームページのチャンネル紹介には次のように書いてある。

バッハ、ヘンデル、ヴヴァルディ・・・独自のスタイルを持つバロック音楽(声楽曲除く)を古楽器演奏中心にお届けします。様々な形で現在に継承されたバロックの世界をお楽しみ下さい。

(上記の”ヴヴァルディ”は原文のママです。Vivaldiさん、怒るだろうね。)

古楽器オタクの私としてはこのチャンネルが聴きたくてSPACE DiVAに加入したようなものだ。しかし実際にこのチャンネルを聞いてみて、内容にはかなりがっかりした。次の点である。

  1. テンポの遅い楽章をほとんど放送しない。これは実に不愉快である。第1楽章が終わり頭の中ではテンポの遅い第2楽章の冒頭が鳴っているのに聞こえてくる音は第3楽章。このチャンネルがBGM局ならこのような方針はわかる。しかしそうではないのだから、これは聴取者を愚弄している、と私は思う。
  2. 上記チャンネル紹介には”古楽器演奏中心”と書いてあるのだが、モダン楽器による演奏が想像以上に多い。感覚的には6割古楽器4割モダン楽器だ。”古楽器演奏中心”と言うからにはもう少し古楽器演奏を増やすべきだろう。
  3. 一日のうちに同じ曲の同じ演奏を複数回聞くことが多い。同じプログラムを繰り返して放送している感じがする。曲に変化が無いので数日聞くと飽きてしまう。そこで数週間空けてまた聞いてみるが、曲にそれほど変化はない。
  4. 放送している曲目・演奏を確認する手段がない。ホームページにも書かれていない。

そこで上記クレームを放送局側に伝えようと思ったが、連絡先メールアドレスがホームページには書かれていない。電話番号は書いてあるが電話代がかかるし、私は電話でグダグダ文句を付けるクレーマーではないし。そもそも、いまどき連絡先が電話のみとは情けない。

というわけでSPACE DiVAを解約しようかと思い始めていたところ、事件が発生。先々週の雷でSPACE DiVAチューナーが故障し放送を聞くことができなくなってしまった。たいした雷ではなかったのだが。アンテナ側が原因か、とも思ったが同じアンテナでMUSIC BIRDは聞くことができるため、原因はチューナー側である。ただチューナー側といっても、チューナー本体かICカードかどちらが原因かわからない。今日ICカードをチューナーから取り出してみたところIC部分が変色している。IC部分が破壊されていたら放送は聴取できないはずだ。

もしチューナー本体が故障なら修理費がかかるし、主目的のバロックチャンネルにがっかりしてこともあり、SPACE DiVAを解約することにした。

今日、久しぶりにMUSIC BIRDの方を聞いてみた。こちらのクラシックチャンネルは古楽器はほとんど放送されないのが残念だ。ただ音質の良さは再認識した。大音量にすると、CD音質のMUSIC BIRDとMP2音質のSPACE DiVAの違いは良くわかる。SPACE DiVAは大音量ではうるさくて長時間聞けないがCD音質のMUSIC BIRDではそれほどではない。これは音の歪みに違いがあるような気がしている。まあ曲目は私の趣味ではないが音質の良さを買って、当面はMUSIC BIRDを聞くことにしよう。

フランツ・ウェルザーメスト

2007年6月23日 (土)

半月ほど前の朝日新聞のニュース。次のとおりである。

オーストリア文化省は6日、任期が2010年夏に切れるウィーン国立歌劇場音楽監督の小澤征爾氏(71)の後任に、オーストリア・リンツ出身で米クリーブランド管弦楽団音楽監督のフランツ・ウェルザーメスト氏(46)が就任すると発表した。

ベルリンフィルのアバドからラトルへの交代も驚いたが、小澤からウェルザーメストへの交代は私には意表を突くものだった。

最近の私の聴く音楽は古楽器ばかり。モダン楽器のシンフォニーオーケストラの音楽はほとんど聴かなくなってしまった。いったん古楽器のニュアンスと表現の豊かな世界を知ってしまうと、ダイナミックレンジに依存しているモダン・シンフォニーオーケストラの音楽は少々疲れてしまう。そしてモダンオーケストラの弦楽器の、私には過大と思われるヴィブラートも耳障りである。

そうはいっても古楽器がメインになったのはここ3,4年であり、それまでは何の疑問もなくシンフォニーを聴いていた。ただ聴いていた音楽は少々一般的ではなく、フランス近代・現代音楽、ペルトなどのヒーリング系音楽、ライヒなどのミニマルミュージック系音楽である。

そのヒーリング系音楽のCDの中で10年ほど前に買ったCDがこのCDだった。内容は次のとおり。

ペルト&カンチュリ/交響曲第3番
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 (演奏), ペルト (作曲), ウェルザー=メスト(フランツ) (指揮), ジェームス(ディビッド)

指揮が、本日の話題のウェルザーメストだ。私が持っているウェルザーメストのCDはこの1枚のみである。

その演奏は非常に透明感があり、冷徹な音楽である。各声部の分離が非常によく、すべての音がにごり無く聞こえてくる。非常に集中力のある演奏なのだが変化に富んでいるため聞き手を疲れさせない。

この感想はCDを購入した当時の感想だが、このブログのために再度聞いた印象も全く同じだった。当時の感想に加え、不協和音が非常に美しいことに気が付いた。不協和音とはまさに綺麗に響かない和音なのだが、それが美しいのだ。

また金管楽器の奏法にも特徴のあることに気が付いた。アタックが非常に丁寧で、アメリカ流(ペケペケ)アタックの逆だ。そして音をまっすぐに伸ばし、最後に丁寧に減衰する。そのルールを厳密に守った演奏なのだ。このことは音楽の透明感に非常に貢献していると思う。

数年前にCS放送のクラシカ・ジャパンでウェルザーメストのドキュメンタリーを見たが、ウェルザーメストは非常に知的な雰囲気の人物だった。まさにそのとおりの演奏と言えよう。

私はウェルザーメストの演奏はこのCDしか知らないので、他にどのようなCDがあるのか調べてみた。
CDリストのとおりである。

レコーディング枚数は多いとは言えず、曲目はそれほど特徴が無い。ウェルザーメストは歴代のウィーン国立歌劇場音楽監督と比較して最も「有名ではない」音楽監督かもしれない。しかし私ですらCDの最初をちょっとを聴いただけでウェルザーメストの才能はわかった。10年前にCDを聴いて才能を感じた指揮者がウィーン国立歌劇場音楽監督就任決定に嬉しく思う。2010年からのウェルザーメストの演奏に非常に期待している。

骨太の方針

2007年6月22日 (金)

数日前(6月19日)、政府は閣議で今年度の「骨太の方針」を決定した。この「骨太の方針」の正式名称は昨年まで「経済財政運営と構造改革の基本方針」であったが、今年度から”構造改革”が脱落し、「経済財政改革の基本方針」となったそうだ。

この「骨太の方針」とは、Wikipediaによれば次のとおりである。一部を引用する。

骨太の方針(ほねぶとのほうしん)とは、2001年6月に答申された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」に際して、当時の内閣総理大臣小泉純一郎が、聖域なき構造改革とともにキャッチフレーズ的に使用し、一般国民に浸透させた言葉である。

それまで大蔵省が握っていた予算編成の主導権を内閣に移すため、2001年1月に内閣総理大臣を議長とする経済財政諮問会議が設置された。当時の内閣総理大臣小泉純一郎の政治手法とも相俟って、機能が発揮されてきた。ここから毎年6月に基本方針が答申され、経済政策・財政政策の柱となる。

骨太の方針とは、2001年6月に答申された「経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」の際に使われた言葉だったが、小泉総理の退陣後も「骨太の方針第○弾」として呼ばれ、政策の継続性が謳われている。

上記Wikipediaからは、このネーミングが小泉前首相の発案であることがうかがわれる。

さてここで私が問題にしたいのはその方針の中味ではなく、「骨太の方針」という言葉である。どうもこの「骨太の方針」という言葉、私には嫌な語感である。目の前に牛の太い骨がぶら下がっているような。私のセンサーは何か変、と感じている。

そう思うのは私のみかもしれない。そこで国語辞典を調べてみた。Yahooサイトの国語辞典(三省堂の大辞林)では次のとおりである。

[1]骨の太いこと。骨格の頑丈なこと。また、そのさま。
⇔骨細
・―な指
・―な絵筆のタッチ
[2]気骨(きこつ)があるさま。
・―な考え方

ということは、「骨太の方針」の”骨太”はこの辞書の”[2]気骨(きこつ)があるさま。”の意味だろう。念のため”気骨”も同じサイトで調べると、次のとおりである。

自分の信念を守って、どんな障害にも屈服しない強い意気。「―のある若者」

なるほど、「骨太の方針」とは、”自分の信念を守って、どんな障害にも屈服しない強い意気、である方針”となる。”この方針は信念を守ってどんな障害にも屈服しないよ”のつもりだろう。

でも、私の語感ではやはり変。その理由は、骨太の主体。骨太の持ち主、つまり気骨のあるのは人間でなければならない、ということだ。上記の辞書の説明からもそれは読み取れる。一方、「骨太の方針」の主体・持ち主は政府だ。政府は人そのものではない。私が何か変、と思った原因は、人個人に使う言葉を政府に使ったことだったのだ。そしてかつ、使い方も本当は「骨太方針」と、”の”ではなく”な”を使用すべきだ。そう、「意固地小泉前首相の骨太な方針」なら、私も納得ゆく言葉だったろう。

 

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