立花さん、どうしたの?

2007年7月2日 (月)

6月29日付けの日経BPnetサイトにに立花隆氏の記事女子高生も「経験不足」と嘆く 未熟な安倍首相よ、政権を去れ!が掲載された。

この記事の結論は次のとおりである。

いずれにしろ、この未熟な総理大臣には早く退場してもらいたい。最近の強行採決の連発を見ていると、こんな人を首相にしておいては、日本は壊れてしまうと思う。

この結論にたどり着くために立花氏は2つの論を展開している。ひとつは、

やることなすこと裏目裏目と出てしまう

阿倍首相の政治センスの無さを事実とともに述べている。そしてもうひとつが、中高校生の政治感アンケートの引用。

問題はこの後者だ。立花氏は次のように述べている。(一部を引用。)

最近の週刊朝日にのっていた、
「アンケート調査でわかった、いまどき中高生(12~18歳)『笑撃』の政治観」
の安倍評が面白かった。これは携帯コンテンツサービス会社の「メディアシーク」がケータイで行ったアンケート調査の結果で、正規の社会調査というにはほど遠いいいかげんな調査だが、それだけにかえって面白い。

驚きは、「誰に首相になってほしいか」の問いに、「安倍首相のままでよい」とする人はわずか5%しかいない。それに対して、圧倒的多数(32%)が、「小泉純一郎」の名前をあげている。
安倍首相の5%は、「東国原英夫」の9%の半分程度で、「爆笑問題・太田光」「島田紳助」「田中真紀子」のいずれも4%とほとんど肩をならべる支持率である。要するに、安倍首相は、太田光、島田紳助程度の評価しか受けていないのである。

不支持の理由として、具体的には、

「内閣に不祥事が起きても弁護してばかり」

「なにがしたいんだかわかんない。うつくしい国って何なんですか!?」
いった答えが出てきた。
なかには
「明らかに経験不足」
という声もあった。女子中高生にまで「経験不足」と指摘されるようでは、安倍首相の評価も地に落ちたというべきだろう。

この調査を「正規の社会調査というにはほど遠いいいかげんな調査」といっておきながら、全8ページの記事中この話題を2ページ弱、述べている。

そしてこの部分の直後に、立花氏は次のように述べている。

つい先日、ある新聞記者の訪問を受けて、2時間ばかりのインタビューを受けつつ、なぜ安倍首相はあれほどダメなのかを語り合った。
結局、たどりついた結論がこの女子中高生の評価と同じだった。
「経験不足」
の一語につきるということである。

立花氏の論の立て方としては、立花氏と某新聞記者が論じて出した結論の阿倍首相「経験不足」説の論の補強が、中高生の出した阿倍首相「経験不足」評価、ということだ。

あたりまえのことだが中高校生には投票権は無い。それは、彼らはまだ自立しておらず、また政治を考える能力が無いから、だからだろう。その彼らが雰囲気として感じている阿倍首相への評価に、何の意味があるのだろうか。中高生の下した阿倍首相「経験不足」説にしても、彼らの思考の産物ではあり得なく、聞きかじったマスコミや親の意見を代弁したに過ぎないだろう。

結果として立花氏のこの記事は、論としては全く無意味な引用を含むのみならず、その引用内容が面白おかしいだけに阿倍首相「経験不足」を感情的に煽るだけの劣悪な記事になってしまっている。論理・思考に基づかない評価(中高生の評価)を自分の説の補強に使うことで自分の記事が中高生と同じレベルになってしまうことに気が付かないのだろうか。そしてそのような感情的に煽るという行動は、マスコミ人としては禁句の行動であることに気が付かないのだろうか。

立花氏を私は以前は日本の知性を代表するひとりと思ってきた。しかしこの数年、彼の書いたものに疑問をもつことが多くなってきた。非論理的な論の展開が目に余るようになってきているのだ。今回のこの記事もその類型だ。

もしかすると私が彼を日本の知性と思い込んでいただけかもしれない。今度、立花氏の書いた古い書籍を読み直してみる。そして彼が昔から非論理的なら、それに以前は気が付かなかった私の負けだ。そのときは彼の本を全部捨ててしまうことにしよう。

本来なら私の今日のブログはこれで終わりにすべきなのだがどうしても一言。阿倍首相について。マスコミはもう阿倍首相を「経験不足」と揶揄する段階ではないと思う。阿倍首相は自分の能力の無さに気が付いておりそれをカバーするために強権を発動することで自分を大きく見せようという、「暴走」の段階に入ったと思う。早く止めないと危険だ。もうマスコミでは止められない。暴走を止めることができるのは「市民」の投票行為のみ。今月末の参議院選挙、結果はどう出るか。。。

(このブログでは、政治を論理的に考えることのできる人を「市民」、考えることができずに感情・ムードで政治を判断する愚民を「国民」と記している。)

 

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