月別:9月2007年

「9月に響く90人の第9」を聴いて

2007年9月3日 (月)

約1ヶ月前にこのブログの記事演奏会案内/ベートーヴェン・第9で紹介したコンサートを聴いた。

「9月に響く90人の第9」
【日時】
9月2日(日)15時開演

【会場】
紀尾井ホール

【曲目】
ミサ・ソレムニス ニ長調 op.123より「キリエ」
ベートーヴェン:交響曲9番 ニ短調 op.125 「合唱付」

【演奏】
坂本徹(指揮)
小濱妙美(Sop)/永田直美(Mez)/池本和憲(Ten)/長谷川寛(Bar)
ライジング・サン・オーケストラ&クワイア

感想は、一言で言うと「期待外れ」だった。

先ず、オーケストラの精度が低い。2楽章で弦と管がずれたところなど、練習不足を感じさせる。また音の出だしがきちんと合っていない箇所も散見。古楽器も演奏する奏者が多いオーケストラのはずだが、古楽器奏者がこのようなことに無神経のはずはないので、モダン楽器のみ演奏する奏者が多かったのかもしれない。

それから、コンサートマスターより先に飛び出して弾く奏者がいた。これはオーケストラでは禁句のはずだ。寄せ集めオケの欠点が露呈、という感じだ。

また、古楽器奏者が多ければ音の減衰がもっと多用されたと思うが、そうではなかった。古楽器オケ的なすっきりした第9を期待していたのだが、そうではなかった。

ただ、オケ50人、合唱35人と小規模のうえ、金管楽器はナチュラル楽器のため、オーケストラの音量はそれほど大きくない。合唱も声を張り上げる必要はなく楽に歌っていたように思う。ただ合唱はあと10人ほど多い方がオケとのバランスは取れていたと思う。

それに引き換え、声楽ソロ4人は1000人の第9、またはベルディのオペラだった。よく響く声は素晴らしいのだが、場違いな音量とあまりにも深いヴィブラートには辟易した。指揮の坂本氏が主宰しているモーツァルト・アカデミー・トウキョウ(MAT)の声楽陣はヴィブラートはかなり控えめで清楚だが、その全く逆。これがテレビ放送ならすぐにスイッチを切ってしまうヴィブラートの深さと肉厚の声質だった。

室内オケで古典的・古楽的なベートーヴェン、が指揮の坂本氏の意図と思っていたが、出てきた音楽はそうではなかった。結局のところ坂本氏がどのような音楽を目指したのか全くわからなかった。

けなしてばかりだが良いところもあった。ホルンセクションは素晴らしかった。ナチュラルホルンで超難しいソロを完璧に吹いた下田太郎氏には拍手。また合唱もレベルは高かった。

この団体が今後も存続するのなら、古楽器奏者のみで構成されるオーケストラ、古楽唱法をマスターしたソリストで、出直し公演を期待したい。

 

QLOOK ANALYTICS