月別:5月2008年

バッハの初期作品発見と誤訳

2008年5月16日 (金)

約1ヶ月前の話題だが、J.S.バッハの初期作品の写本が発見されたそうだ。
バッハ:新たな初期オルガン作品の写本発見という記事で、次のような内容である。

ドイツのハレ大学は15日、作曲家バッハの新たなオルガン作品の写本を発見したと発表した。曲はこれまで最初の5小節だけが知られていたコラール(賛美歌)「主なる神われらのそばにいまさずして」の19世紀の教会音楽指導者ルスト氏による写譜。

 同大学が取り組むヘンデル作品集の編さんをしていた2人の音楽学者が、ルスト氏の遺品から見つけた。曲のスタイルからバッハの初期の1705~10年ごろの作曲とみられている。
(C)毎日新聞

これと同様の記事が別の新聞にもあった。
バッハ初期の作品、全編見つかるという記事で、次のような内容である。

ドイツの作曲家ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750)が作曲し、これまで一部しか知られていなかった曲「主なる神我らのそばにいまさずして」の全編を筆写した楽譜が見つかった。ハレ大学が15日、発表した。

 バッハも音楽監督だったライプチヒのトーマス教会で19世紀後半に音楽監督を務めた音楽家が筆写したもので、ハレ大学が入手した遺品の中に含まれていたという。

 楽譜には「バッハの作品」との記述があり、この曲が作られたとされる1705~1710年当時に流行したオルガン音楽様式の影響を強く受けていた。バッハ史料館(ライプチヒ)は「バッハの初期の作品はとても少なく、今回の発見は学術的にも非常に貴重だ」と話している。
(C)朝日新聞

後者の記事タイトルは「バッハ初期の作品、全編見つかる」となっているが、私の記憶では最初は”バッハ初期の作品”ではなくて”バッハ初期の合唱曲”になっていたように思う。これは、”コラール”を誤訳したものだろう。人材豊富な大新聞といえども単純な誤訳はあるのだね。

J.S.バッハ/カンタータ第42番を聞いて

2008年5月8日 (木)

約1ヶ月前になるが、次の演奏会を聞いた。

Soli Deo Gloria<賛美と祈りの夕べ> Vol.237
2008年4月5日(土)
日本キリスト教団 本郷教会礼拝堂(東京・上荻)

[曲目]
J.S.バッハ カンタータ42<この同じサバト(安息日)の夕べ>
F.メンデルスゾーン<讃歌>ソプラノソロ 柴田圭子
H.ディストラー<主なるキリストは甦られた>

指揮 淡野太郎/淡野弓子

[声楽ソロ]
ソプラノ 今村ゆかり/柴田圭子
アルト  羽鳥典子
テノール 星野正人
バリトン 淡野太郎

[オーケストラ]
ユビキタス・バッハ

[合唱]
ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京
メンデルスゾーン・コーア

この団体の演奏を聞くのは約10ヶ月ぶりで、そのときの感想はこのブログの記事で書いた。その記事の最後に、次のように締めくくった。

この団体、今後も地道に宗教音楽活動を続けてゆくと思う。また半年・一年後に聴いてみたい。そのときも音楽はライプチヒスタイルのままか、または古楽器演奏的要素が加味されるか、興味のあるところである。

今回の演奏、古楽器的演奏云々の問題の前に、精度が低かった。つまり、アンサンブルがあまり良くないため音楽どころではなかった。特に、最初のシンフォニアと3曲目アリアで二番オーボエが足を引っ張っていたように思う。3曲目アリアは、ひとつの旋律を分割して1,2番オーボエが交互に演奏するので、難しいことは想像できる。が、もう少し気の合った演奏をしてもらいたかった。

声楽ソロでは、テノールの星野氏が良かった。彼はアマチュアだと思うが、ハイトーンをあれだけ楽々出せるのはすばらしい。私は一応合唱経験があるがハイトーンの出ないテノールだったので特にそう思うのかもしれない。

演奏された3曲の中では、H.ディストラー<主なるキリストは甦られた>が一番良かった。ディストラーは現代作曲家なのに、極めて古典的でひたすら祈りの音楽だ。それを合唱が心を込めて歌っていたように思う。

この団体、また1年後くらいに聞いてみたい。そのとき、もっと演奏の精度が上がっていることを期待したい。

 

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